診療放射線技師の活躍する主な分野 |
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●X線撮影とは?
物質を通過するX線の性質を用いて、からだの中の様子を撮影します。胸部、腹部、骨、乳房など全身を正しい姿勢で撮影しています。
胸部正面像(正常) 下腿正面像(骨折)
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●“マンモグラフィ”って何?
“マンモグラフィ”とは、乳房のためのX線撮影です。上下で圧迫する撮影(CC撮影)と斜めで圧迫する撮影(MLO撮影)の2方向、左右合わせて4枚の写真を撮影します。当院では、右写真のマンモグラフィ装置を使用しており、撮影には5分程度かかります。
●痛いって聞くけど、大丈夫??
乳房を圧迫して撮影を行うため、全く痛みがないという訳ではありません。個人差はあります。圧迫して撮影することは、被ばく線量を少なくすることに加え、呼吸や体動のブレをなくし病気を見つけやすくするために必要です。生理前は、ホルモンの関係で乳房が張るので、
生理が始まって乳房の張りが和らいだ時期での撮影をオススメします。
リラックスして受けましょう♪
●“マンモグラフィ”は何が見えるの???
下の写真は、正常な20代女性のマンモグラフィです。
左右の画像を見比べながら、白い影(腫瘤)や白い点(微細石灰化)などがないかを見ていきます。マンモグラフィは、自覚症状(しこりがあるなど)がない場合の初期段階の乳がんの発見が可能です。 |
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骨塩定量検査
人口の高齢化に伴い骨粗鬆症が注目されるようになりました。人は加齢により、骨量が減少して骨折の危険性が増大します。骨密度の測定を行うことで、骨の現状を把握し骨折の予防・対策に役立ちます。
【主な対象】
・骨粗鬆症の診断及び治療、骨折後の骨量増加の経過観察
・関節リュウマチの診断及び治療効果判定、経過観察
・閉経後の骨粗鬆症の診断及び治療
・卵巣摘出後の骨量減少の治療効果判定、経過観察
・人工透析による骨量減少の治療効果判定、経過観察
・ステロイド投与による骨量減少の治療効果判定、経過観察
などが挙げられます。
【検査方法】
・仰向けで撮影台に寝ます。
・一般的な腰椎測定では約1分、全身骨測定は約10分です。
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X線透視検査
●X線透視検査とは
X線を連続的に照射し、透過したX線をTV装置で観察する検査で、一般に良く知られている胃のバリウム検査をはじめ、食道、小腸、大腸といった消化管疾患の診断に用いたり、骨折や脱臼の整復等にも使用しています。また、電子内視鏡装置を併用して胆道・膵管を造影する内視鏡的逆行性胆道膵管造影もX線透視の分野で、胆道・膵疾患の診断や総胆管結石の治療にも使われています。
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CT検査
●CTとは
Computed Tomographyの略で、コンピューター断層撮影といいます。身体にX線を照射し、通過したX線量の差をデータとして集め、コンピューター処理することによって身体の内部を画像化する検査です。最近の装置ではコンピューター処理によって横断像だけではなく、様々な方向の断層像や立体的な三次元画像を作成することもできます。
X線は、空気のたくさんあるところは通過しやすく、骨は通過しにくいという性質を有しています。このため、身体の組織や臓器によってX線の通過しやすさ(透過性)は異なり、この差を利用して画像を作り出すことができるのです。CT検査によって病変が描出されるのは、X線の透過性が病変と正常部とでは異なるからです。
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血管造影検査
●血管撮影と血管内治療
血管撮影とは、血管の中にカテーテルという管を挿入し、造影剤を注入してX線撮影を行い、血管病変、腫瘍等の診断をする検査方法です。通常、血管はX線では映らないため、その中にX線に映る物質でできた造影剤を注入して血管の形や血液の流れる様子を連続的に撮影することにより、動脈や静脈などの病変を診断します。
血管の病気に対しては無くてはならない検査方法であるのはもちろん、手術ができるかの判断や、手術方法を決めるのに重要性な検査です。
血管内治療は、狭心症や心筋梗塞などで狭くなった血管や詰まってしまった血管に対して、血管造影の手法を用いて、血管の内側から管の先に風船の付いたバルーンや、針金で作った筒の様なステントで血管を拡張させたり、腫瘍などへの血管を針金の塊の様なコイルで止めて血液を遮断する治療、くも膜下出血の原因である動脈瘤をコイルで詰めてしまう等の治療です。
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MRI 検査
●MRIとは
Magnetic Resonance
Imagingを略したもので、日本語では磁気共鳴画像と言います。人体のあらゆる方向から断層写真を撮る事で体内の状態を把握するための検査です。人体をMRI装置の発生させる強い磁場(エレキバンの約15倍)の中に入れ、特殊な電波を与えると体内の水素原子はそれに反応してある信号を発生します。この信号をコンピュータで処理し人体の内部を画像化するというのが大まかな原理となります。
●MRIの特徴
・X線を使用しないため、X線被曝の心配がありません。
・CTと違って人体のいろいろな断面を作ることが出るので、脊髄・関節の状態を詳しく見る事ができます。
・信号の処理方法を変えることで、病変や臓器の変化を明瞭に捉えることができます。脳では血液の流れが悪い部分や腫瘍、また脊髄の病変などを確実に診断することができます。
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MRIは、特殊な処理で造影剤を使用しなくても血管の状態を知る事ができますので、血管撮影というリスクを伴う検査をしなければ分からなかった脳の動脈瘤や血管の狭窄も安全に診断する事ができます。
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超音波検査は、別名でエコー検査やUS検査とも呼ばれています。超音波検査の原理は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波をからだに当て、からだのなかで反射してくる音波をコンピュータで映像化して、異常がないかを調べる検査です。検査する際は、からだにゼリーを塗ってプローブと呼ばれる聴診器みたいなものを当てて行います。妊婦のおなかの赤ちゃんを見るときと同じ検査です。X線CTの様に放射線による被ばくももないため、何度でも検査ができ、苦痛もなく手軽に検査ができる検査です。 |
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核医学(RI)検査
●核医学検査とは
核医学検査は、放射線を放出する放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を標識した放射性医薬品を静脈注射などによって体の中に入れ、体内に取り込まれた薬から出る放射線(ガンマ線)を体外から専用のカメラ(ガンマカメラ:右図)で撮影します。その画像によって人体臓器の機能情報や病気を調べる検査です。また、ベータ線を放出する放射性同位元素である塩化ストロンチウム(89Sr)を用いたがんの骨転移による疼痛の緩和やイットリウム(90Y)を用いた悪性リンパ腫に対する治療を行っています。ここでは核医学検査の中の単光子放出核種を用いたRI(radioisotope)検査(体外測定)について説明します。RI検査(体外測定)のことをシンチグラフィとも言います。 |
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PET/CT検査
PET検査とは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略で、通称ペットと呼ばれていて、陽電子放出核種であるフッ素[18F]で標識したフルオロデオキシグルコース(FDG)という検査薬を注射して、その集まり具合を画像化します。
PET検査の優れた点は、組織やがんの活動状態などの代謝機能を画像化できる点です。但し、PET検査だけでは、異常箇所の位置把握が難しいため、現在ではCT検査と組み合わせ、がんの詳細な位置、形、大きさなどの形態画像情報を同時に得る事ができ、これにより診断能の向上と一人一人にあわせた最適な治療選択が行う事ができます。 |
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放射線治療
放射線治療とは、ガンマ線、エックス線、電子線といった放射線をがんに照射し、がんを小さくする治療で、手術やがん化学療法とならぶ代表的な治療です。最近ではCTを使って目的のがん以外の部位にできるだけ放射線を照射しない、精度の高い治療計画と、精度の高い照射装置により放射線治療の治療成績も向上しています。
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