第45回東海四県放射線技師合同研究会報告
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日付:平成16年2月8日(日)
会場:県民文化ホール『未来会館』長良川ホール
第45回東海四県放射線技師合同研究会が、平成16年2月8日、県民文化ホール『未来会館』にて開催されました。開催当日は、時々雪が舞いような寒い日でありましたが、159名の会員ならびに賛助会員の方が参加されました。
最初に(社)岐阜県放射線技師会衣斐賢司副会長が、開会の辞を述べたあと当番県会長として(社)岐阜県放射線技師会田中孝二会長より研究会参加の謝意の挨拶をした。
今回のテーマは『安全(医療事故防止対策)』ということで、午前に講演2題、午後にシンポジウムをおこなった。
最初に講演Tとして『ジェネリック造影剤とその安全性について』と題し、コニカミノルタエムジー株式会社川勝哲先生にご講演をいただいた。ジェネリック医薬品とは、「新医薬品(後発品)と先発品と比較した場合、有効成分、剤形、含量、用法・用量、効能・効果が等しい医薬品」と定義される。コニカミノルタエムジー株式会社が発売したジェネリック造影剤は、低価格で供給できる利点があり、また、先発に発売された造影剤と比較した結果、物理化学的性状(粘稠度、浸透圧)、生物学的同等(血中濃度と尿中排泄)、造影能(静脈性尿路造影)、安全性(副作用発現頻度)において、臨床的に同等であった。よって、「医療費節減」「患者負担の軽減」から、ジェネリック造影剤を採用する施設が増えていることについて述べられた。
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次に講演Uとして、東海地区は、近い将来、東南海地震、東海大地震など大地震が起きるといわれております。そこで、地震が起きた時、我々放射線技師は、どんなことが予想されるのか?どんな対応をしなければならないのか?といたことを、神戸大学医学部附属病院今井方丈先生をお招きし、兵庫県放射線技師会役員としての活動、また阪神大震災時に、偶然にも当施設で当直をされていた経験をもとに『災害時に放射線技師ができること』と題し講演をしていただいた。最初に兵庫県放射線技師会役員として被害状況(家族の安否、家屋の状況、施設の被災、機器の被災)の把握をおこなった。被災にあわれた会員には、救済措置を日本放射線技師会へお願いした。次に当施設の被害状況について、自動現像機では、地盤が揺れて現像液と定着液が混ざり、また断水ということもあり写真ができない現状や、停電のため、撮影ができなかった現状を述べられた。次に診療実態について発生から3日間は、多数の患者さんが来院したが、それを過ぎると、減少傾向となった。また、疾病別では、当初は外傷が多かったが3日目あたりから冬ということもあり内科系疾患の患者さんが増えてきた。また、勤務態勢は、建物の破壊や道路の破損など技師全員が出勤できず、出勤できるものでチームを組み3交代体制で診療にあたった。その他多くの体験談をお話しいただき、最後に日頃の安全管理・危機管理が重要であり、マニュアルの作成だけでなく、日頃から訓練しておく必要があると述べられた。
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午後は『医療安全学を考える』をテーマに、機器管理、インファームドコンセント、救急医療、医療被曝、医療情報の5つの小課題をもうけ、それぞれに対して東海四県の放射線技師会より推薦されたシンポジストの方に発表していただいた。座長は、当番県の岐阜県(遠藤斗紀雄、亀山泰信両会員)が担当し、シンポジウムが進められた。
機器管理について、愛知県の清水郁男会員は、「各機器にチェックシートを作成し、始業・終業点検をおこなうことが、我々放射線技師が安全に検査ができ、また患者さんは安全に検査が受けられるひとつの方法である」と発表した。
インファームドコンセントについて、静岡県の石川英男会員は、『医療事故を分析した結果、医療従事者間、医療従事者と患者間のコミュニケーション欠如が事故原因である場合が多いと考え、インファームドコンセントの概念を「説明と同意」ではなく、「医療従事者と患者間のコミュニケーション」と捉え、患者さんが何を求めているのかを理解する事が重要であり、そのためは、相手をよく見たり、よく聞くことが大切である』と発表した。
救急医療について、三重県の岡田和正会員は、救命救急(時間外)外来のスタッフや施設構造について説明した後、『時間外の安全対策は、通常勤務の場合と異なることとして、スタッフの人数が減少するため、目の届く範囲が限られてしまう。そのため、患者さんの容態が急変する事や不穏な行動をとることをある程度予測し、検査時は看護師や医師に立ち会っていただき、移動も、患者さんあるいは付き添いの方だけにしない』と発表した。
医療被曝について、岐阜県の山田良孝会員は、『岐阜県放射線管理士部会がおこなった2002年7月と2003年7月のX線撮影条件に関するアンケートを比較し、被曝低減に対する意識調査をした結果、27.8%の施設が撮影条件の見直しがおこなわれ、被曝低減に有効であった。また放射線被曝に対する知識および技能の習得することによりその説明ができれば接遇の向上ならびに患者さんの安心や信頼につながる』と発表した。
最後に医療情報について、愛知県の山田篤人会員は、『デジタル画像ネットワークシステムにおけるインシデント・アクシデントとして基本情報の入力ミス、不法行為によるインシデント、表示モニターの品質(特性や分解能などのちがいによっての病変検出能の違い)によるアクシデントがあります。患者さんに安全な医療を提供するには、医療画像情報の高い品質の確保が必要である』と発表した。
以上5名のシンポジストの方々の熱心な発表や、会場の方々の活発な質疑のため20分ほど延長し、シンポジウムが終わった。
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最後に、次期当番県として、三重県放射線技師会より、来年度の研究会のお誘いをしたあと、(社)岐阜県放射線技師会井戸靖司副会長が、閉会の辞を述べ、研究会の幕を閉じた。
なお、研究会開催中、会場の外では、急速なデジタル化の進歩にともない、CRシステムの機器が展示されており、メーカーの説明を熱心に聞く参加者の姿を目にする風景があった。(文責 岩田)
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