第12回岐阜県放射線技師学術大会
平成20年4月27日ソフトピアジャパンセミナーホール
会員発表 U 岐阜県超音波研究会 座長集約
大垣市民病院 竹島賢治
腹部超音波検査は画像診断法の一つとして広く臨床の場で用いられ、非侵襲的にリアルタイムに各臓器の形態情報を観察できることから腹部領域から心臓・体表領域における診療業務に必要不可欠な検査法である。また、血流情報としてはカラードプラ法の発達に伴い、小さな肝腫瘤性病変の血流の多寡やその方向が把握可能となり、腫瘍の質的診断にも大きく寄与してきた。
近年、今まで造影検査という概念はCTやアンギオ検査が一般的であったが、ドプラ検査では捉えられないような抹消の微細な血流動態をリアルタイムに評価する方法として超音波検査にも造影検査が導入された。
超音波造影検査の歴史は古く1968年、Gramiakらにより心カテ時の心腔内のインドシアニングリーンの動態を超音波で観察したことから始まり、このときに「コントラストエコー」という名称が命名され、その後本邦では1982年に松田らにより血管造影時にカテーテルよりCO2バブルを動注するCO2USが開発され、一時は血管造影も凌駕すると言われていた。しかしながら双方とも侵襲的であり広く診療に浸透することは困難であった。
そして1999年、本邦にての経静脈性の超音波造影剤の登場は超音波検査において飛躍的な変化を及ぼし、特に2006年に使用可能となった第二世代の超音波造影剤は、比較的取り扱いが容易で各超音波装置メーカーからも数多くのハード・ソフト面でのサポートがなされ、その有用性と効果の向上は周知の如くである。
そこで今回、この造影超音波検査に焦点を絞り、岐阜県下4施設より「造影超音波検査の現状」について報告していただいた。ポイントとしてはあまりマニアックな内容にはせず、今後各施設にて造影検査が手軽に行えるよう検査の方法や流れ、撮像条件や工夫などを症例提示や検討に交えて発表するようテーマを設定した。
各施設からの発表の印象は、撮像条件や各種設定はほぼ統一されており、検査件数には差があるものの、提示された画像には施設間で大差の無いものであった。造影超音波検査が始まった約10年前、私たちが試行錯誤して行っていた時代と比べると診断価値の高い画像情報が容易に得られるようになっており、第二世代の超音波造影剤の効果とそれをサポートする各社超音波装置メーカーの努力は、この一端を大きく担っていると思われた。
時間の関係上、すべての施設に質問は出来なかったが、「今後の造影超音波検査の展望」について質問に対し、木沢記念病院の北村香織先生より「第二世代超音波造影剤ソナゾイドの適応は、現在のところ肝腫瘤性病変のみになっているので、今後この適応範囲が広がることが望まれ、その後も各種臓器に造影検査を施行し研鑽を積んで行きたい」という意見があった。ソナゾイドによる造影超音波検査にて適応外の臓器に対する学会発表も各学会で増加しつつある。今後の適応範囲の拡大は造影超音波検査が浸透していく上で重要な事と考えられる。
造影超音波検査は本年度4月の診療報酬改定にて150点の加算請求が可能となり、ドプラ検査を含め保険請求上もようやく正当な扱いが得られるようになった。今後我々は、いかに侵襲の少ない検査にて多くの画像情報を提供できるかがテーマとなり、その面から言っても造影超音波検査は各種画像診断の中でも欠いてはならない検査法であり、今後おおきな期待が寄せられる検査法であると考えられる。
平成20年4月29日