脂肪抑制TrueFISPを用いた

       MR-myelographyの神経根描出の試み

高山赤十字病院 放射線科部

○岩佐 成彦、畑中 信吾、中村 栄一、山下 光弘

【目的】MRの更新によりSSFPシーケンスであるTrueFISPの使用が可能となった。TrueFISPT2の長い組織から定常状態の信号を取得する新しい高速グラジェントである。しかし本撮影法のTEopposedphaseであるため脂肪に囲まれた細い構造物は高信号に描出されなかった。そこで脂肪抑制を付加したTrueFISP法を用い、従来から使用しているMR-myelographyのシーケンスであるHASTE法とFISP法との神経根の描出能の比較検討を行ったので報告する。

 

【方法】使用装置はSiemenseHarmony1.0T、撮像法はCHESSパルスを付加した3DTrueFISPで、TR/TE/FA=4.3/2.15/65°、

FOV=300Partition32、実効スライス厚=1.0mmである。

比較対象として、脂肪抑制付き3D-FISP  (TR/TE/FA=76/17/ 10°)とシングルスライスのHASTE法(TR/TE/fFA=8000/897/150°30mm厚)を用いた。評価は神経根の描出の明瞭度について、3名の放射線技師と2名の放射線科医が視覚的に5段階評価を行った。

 

【結果・考察】TrueFISP法はL1の神経根では有意な差はなかったが、L2L5にかけて従来のシーケンスより有意に優れていた。HASTE法は、T2が極端に長い対象以外は、描出されてもblurが生じ不明瞭になる。一方、FS-TrueFISPT2値の比較的短い信号も描出することができ、これに脂肪抑制を付加することによって脂肪信号に相殺されていた構造物も描出可能となった。さらに従来の3D-FISP法に比べ短時間に撮像が可能であるため、検査の付加情報として追加撮像する際にも有用であると思われる。

 

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