当院におけるガラス線量計の使用経験

大垣市民病院 医療技術部 診療検査科

○春日井麻子、鶴田初男、奥村恭己、川地俊明、

坂野信也、高木等、竹島賢治、野田孝浩、伊藤益弘、

竹中和幸、日比野幸子、市川秀男

目的】平成13年4月の法改正により、積算型であるガラス線量計を用いた漏洩線量測定が可能となった。当院では、ガラス線量計による漏洩線量測定を行うようになり一年が経過し、二度測定したので、その結果および改善点について報告する。

【方法】ガラス線量計(ドーズコレクタ・日本空調サービス)を放射線管理区域29室に、原則として一室につき外壁4面および階上と階下の6個、全体で約200個設置し漏洩線量測定を行った。一部の検査室では室内散乱線も測定した。

【結果】一度目も二度目もすべての測定点において漏洩線量は法令限度値(1.3mSv/3)以下であった。

一度目に、ある検査室の外壁(患者待合い側)に貼り付けたガラス線量計が法令限度値以下ではあるが、わずかに値を検出した。それは、ガラス線量計が取り付けられていた部分の鉛が切り取られていたこと、さらにその扉方向に向けて撮影することが一日に数回あったことが原因であった。二度目はその部分に鉛を貼り漏洩線量測定を行い、ガラス線量計は未検出であった。

また、透視を使用する検査室の扉に取り付けたガラス線量計が値を検出している。これは、透視中に物品の受け渡しや急変時の対応等のため、医師や看護師が頻繁に出入りするためであると考えられる。

【結論】今回の測定ではすべての測定点において法令限度値以下であったため、次回の測定時には今回と設置点を変更して測定する予定である。

 透視を使用する検査室では、法令限度値以下ではあるが漏洩があるため、その検査に従事する医師や看護師に啓蒙活動を行い、漏洩線量および被曝線量の低減に努めたい。

 

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