頭部急性期MRI検査における当院の現状と
最新技術の応用
岐阜大学医学部附属病院 放射線部
○前田 祥吾 梶田 公博 岡田 富貴夫 井上 康弘
松山 勝哉 石原 匡彦 三好 利治 衣斐 賢司
<はじめに> 2004年6月の新病院移転に伴い高次救命救急センターが稼動し、月に約20件程度の頭部緊急MRIを施行している。当院における頭部急性期MRI検査の実際と最新技術の有用性について症例を交えて報告する。
<使用機器>
GE Healthcare社製 Twin speed excite XI
Ver11 1.5T MRI
GE Healthcare社製 8 channel head coil
<撮像シーケンス> DWI、MRA、FLAIR、T2WI、T1WIを撮像しTotal
検査時間約15分である。微少出血が疑われる場合にはT2*WIを追加撮像し、またDWIについてはADC MAPを作成している。
<最新技術の応用> DWI撮像後ADC MAPを作成する事により急性期脳梗塞における診断の確信度を高めている。また高速撮像法ではなく、高度な補正技術により動きの補正を行う撮像法「Propeller」を用いることにより、急性期脳梗塞など意識障害等により動きのある患者様や小児に有用である。「Propeller」はKxに沿う数行を帯状に収集し、これをK-Spaceの原点を中心にα度ずつN回(180°/α度)回転しK-Spaceを充填する。これに回転、並進運動補正を行う事により画像を再構成する。理論上はSE、FSE、GREと組み合わせる事が可能であるが、現在はFSE DWI、T2WIのみ撮像が可能である。「Propeller」はEPI DWIに比べ時間分解能は落ちるが磁化率アーチファクトを軽減できる事により前頭洞近傍及び小脳延髄を含む天幕下部の診断能の向上に寄与している。