当院の中枢神経系MRI
〜アップグレードによる追加シーケンスを中心に〜
土岐市立総合病院 中央放射線技術部
水野裕文 水野求 町田君成 尾関強 佐合淳一 畑佐和昭
【はじめに】 当院では、平成15年8月、それまで使用していたMRI装置PHILIPS社製Gyroscan ACS NT
Adovanced(R6)をNT Intera(R9)にアップグレードした。今回はアップグレードによる追加シーケンスを中心に、当院にて施行されている中枢神経系のMRI検査の現状を報告する。
【アップグレード内容】 ハードウエアー面のアップグレードはリコンストラクター、グラジエントコイルの他新しいシナジーコイルを導入した。ソフトウエア面ではSENSE、PROSET、B-FFE、DRIVE、Dual IRなどの最新のソフトウエアを導入した。
【中枢神経系のMRI検査】 当院のMRI検査の約7〜8割を占めている頭部のルーチン検査においては、アップグレードによって、分解能の向上だけでなく検査時間が短縮でき、スループットの向上につながった。以下に新規に導入されたソフトウエアの中枢神経系での使用例を紹介する。DRIVE:顔面痙攣、聴神経腫瘍など、脳神経を描出する際に有用であったCystenographyの撮像時間が約半分になった。 CENTRA、Bolus Track:頸部造影MRA撮像時には、頸静脈の描出の少ない良好な画像が、高率で描出できるようになった。Dual IR :白質、灰白質のみを選択的に描出できるようになった。Black Blood MRI:頸動脈などのプラークの性状評価などに利用できるようになった。SENSE:頸部MRAにおいて撮像時間を短縮できた。
【結語】当院のMRIにてアップグレードされた追加シーケンスのうち、中枢神経系の画像を中心に報告した。今回のアップグレードにより画質、スループットが向上し、新しいソフトウエアの導入によって検査内容の幅を広げることができた。