東芝社製MRIの使用経験
岩砂病院 放射線科
○中島弘之 高橋哲治 小川靖博 岩間泉 西脇睦
当院のMRI装置がH16年12月に島津社製0.5Tから東芝社製1.5Tに機器更新となった。これにより、今まで撮像不可能であったDWIやSPEEDERが撮像可能となり、頭部用コイルには、多チャンネルコイルのNeuro‐Vascular Coilを導入した。Neuro-Vascular Coilは12エレメント・9チャンネルで構成されており、頭部用コイルに頸部用アタッチメントを接続して使用する。頭部用コイルは、8エレメント・5チャンネルで構成されており、頭頸部コイルは7チャンネルにて撮影する。また、頭部領域をコンバインして撮影する設定と頸部をコンバインして撮影する2種類の設定があり、目的とする撮影場所により使い分けが可能である。それにより頭頸部MRAは動脈弓より頭部までの広範囲を非造影にて高画質での撮影が可能となった。
SPEEDERは1.0〜2.0倍の間で少数点一桁の任意設定が可能であり、SNと時間の選択性が高くFSE・EPIなどで使用可能である。SPEEDERを使用することはDWIにおいて歪みの補正にもなる為、倍率による比較検討の結果、当院では2倍速にて撮影している。MRIは騒音と振動が問題となり、特にEPIのようなシーケンスの場合はその傾向が強まるが、東芝社製MRIは、Pianissimo機構により傾斜磁場コイルの騒音を大幅に軽減することで、その対策をとっている。又、冷凍機の音の消音効果も高まった。
また、tractographyが撮影可能で、この解析画像は脳卒中患者に対する予後の推定が可能であるとの報告もあり、当院の回復期病棟において、リハビリの効果に対するtractographyの有用性を検討中である。