本学における放射線管理学教育の現状と問題点
岐阜医療技術短期大学 診療放射線技術学科
○小野木満照、橋本幹男、山本哲也
【目的】放射線業務はデジタル時代を迎え、また各種画像診断機器や検査法も進歩の一途である。従って、新時代に対応した教育への転換を計るためカリキュラムの大綱化が4年前に行われた。今回我々は、新カリキュラムによる放射線管理学実験の授業効果について検討したので報告する。
【対象及び方法】本学が教育技法の向上を目的として導入した授業アンケートのうち、担当教員へ返却があった平成15年度実施分(3年生85名)のデータ分析及びシラバス(授業計画)に見る講義内容と実験テーマとの比較検討をした。
【結果】1.アンケート調査(5段階評価)より次の結果を得た。
1)「予習・復習」は評価3.55で半数の学生が実施していた。2)「理解しやすいか」は評価2.78でやや難解の傾向にあった。3)「関心・興味」は2.99で半数の学生にどちらでもいないとの考えがあった。2.講義内容と実験テーマとの比較では次の結果を得た。
1)漏洩線量測定、表面汚染分布の測定、線量計の感度特性等は講義・実験共に習得していた。2)汚染除去に関する実験テーマはなかった。【考察】学習の第一歩は関心や興味を持つことから始まり、予習・復習
を通して理解度を深めてゆくことが理想と考える。しかし、今回はそのいずれもが評価ポイントを大きく下回っていた。レポートの提出により復習はカバーできるが、予習はその重要性を説く必要があると再認識した。一方、2名の教員による50名超の学生に対する指導体制や教育備品の充実に問題は残った。
【まとめ】本学における放射線管理学教育のうち実験について授業アンケートの結果から学生の実験に対する姿勢が明確になり今後の指導における方向性が把握できた。また、講義内容と実習テーマとの関連性がやや不十分であった。