個人被ばく線量管理プログラムの開発

高山赤十字病院 放射線科部

○坂本 清隆  中田 幸博  山下 光弘  金子 彰

【目的】個人被ばく線量管理は通常、個人線量測定機関等による測定報告書によってなされているのが一般的である。

しかし、法令に定められた、測定対象者に対する測定のつどの記録の写しの交付や、転出した医師等に対する転出先への被ばく歴の紹介、データのファイリングなどの作業に費やす時間と労力は担当者にとって大きな負担である。また、蓄積されたデータの有効活用ができていないのが実状である。我々は市販のデータベースアプリケーションソフトを用いて独自のファイリングシステムを開発したので報告する。

【方法】OSMicrosoft Windows Xp、開発ソフトはMicrosoft Accessを用い自作した。また、データの入力は千代田テクノルの個人線量フロッピーディスク報告システムを使用した。

【結果・考察】

1)同様の機能を持った高価な市販のソフトを購入することなく、自作することにより安価に開発できた。

2)データはフロッピーからの一括入力であるので、正確で素早い入力が可能となった。

3)いままで蓄積されるだけだったデータの、検索・集計・解析などの有効活用が可能となった。

3)各種報告書が自由に作成できるため省力化につながった。

4)現在は認められていないが、電子メールによる記録の写しの交付という将来的な展望の可能性が開けた。

5)今回は外部被ばく線量のみであったが、内部被ばく線量、健康診断の記録、教育訓練の記録などの管理にも機能を拡張していきたい。

6)誤操作・誤作動等によるデータの喪失、個人のプライバシーの保護も考慮し、外部へのデータの流出や改ざん等が行われることがないよう慎重に行わなければならないことを再認識した。

 

 

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